ニュージーランドで重視されるResilienceとは

翻訳担当のEikoです。

resilienceは、困難に立ち向かう力

ニュージーランドで重視される心の持ち方の一つに、「resilience」があります。弾性、復元力という意味から、病気や失意などのからの回復力や順応性、困難に立ち向かう力という意味で使われます。

学校のスクールレポートでも、例えば、失敗しても投げ出さずに、こつこつと取り組み、物事をやり遂げた時などに、resilienceを発揮したとして評価されます。

このresilienceの研究で、ニュージーランドで有名な専門家がLucy Honeさんです。彼女自身が娘さんを亡くした経験を乗り越え、「resilient」になるために心がけるべき三つの心得について、クライストチャーチでの2019年の講演(TEDX Talks)で説明しています。

 

Resilientな人になるための三つの戦略

16分ほどのこのビデオで紹介された三つの戦略をご紹介します。

1. 困難は人生の一部と知る

ビデオの冒頭で、ルーシーさんが「以下に該当する人は立つか、手を挙げてください」と言って、「愛する人を亡くしましたか?」「自然災害の被害に遭いましたか?」「失業しましたか?」「家族が精神病や認知症などで苦しんでいますか?」と次々と質問していきます。すると、会場のほとんどの人が該当することが分かります。

つまり、つらいこと、困難なことは、だれにでも起こるものであり、人生の一部なのです。それを認識することが最初の戦略です。

2. 何に集中すべきかを知る

ネガティブな感情にとらわれるのではなく、自分にとってポジティブなことに目を向けるよう心掛けます。resilienceは才能ではなく、だれでも習得できるスキルです。失ってしまったことにとらわれて、今、あるものを失わないようにしてください。

3. 自分に有益か、有害かの観点で物事を決める

自分を大切にしてください。自分がやっていること、考えていることが自分にとって有益か、有害かの観点は、様々な状況で適用できます。

「もうなす術がない」と思える時に、この三つの戦略に基づいて、もう一度、考えてみてください。

ルーシーさんの話し方は知的ですが、非常に明確で、ゆっくり、分かりやすいです。原稿の棒読みではなく(英語のプレゼンテーションは、原稿を見ないのが理想とされている)、心がこもった、聴衆の心をつかむプレゼンテーションの素晴らしい見本で、私が英語の先生だったら教材に使いたいほどです。それぞれの項目を実際にどのような英語で表現しているか、ぜひ、聞いてみていただければと思います。

Resilienceを発揮して、ニュージーランド生活の満喫へ

Resilienceについてのこの三つの戦略は、研究者自身が辛い経験をしたからこそ、それを乗り越えるための説得力と実現性のある提案だと思いました。私は最近、ビデオの中で紹介されていた、毎日、その日にあったいいことを三つ考えることを寝る前に実行しています。毎日、なんらかのいいことが思い浮かべられるもので、気持ちが軽くなる心地がします。

ニュージーランドは夏真っ盛り。夏を楽しむイベントも目白押しです

まもなく始まる新学年に向けて、日本から留学生の皆さんが続々と到着されています。私はスクールレポートの翻訳を通して、皆さんの成長ぶりを見守っていくだけで、直接お会いすることはほとんどありません。でも、楽しいことをいっぱい体験して、resilienceを発揮して、困ったこと、分からないこと、びっくりすることも含めて、ニュージーランド留学を満喫していただきたいと心から願っています。

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