フィルターコーヒーを受け入れられないニュージーランドの人々

翻訳担当のEikoです。私は、もはや衰退の時期に突入してかなりたつ新聞が大好きです。我が家はいまだに毎朝、NZ Heraldというオークランドの新聞を配達してもらっていますが、新聞配達というサービスがいつまで続いてくれるのでしょうか? 新聞の何が好きかというと、記事や広告を通して自分が全然知らない考え方や出来事に出会える点です。毎朝、薫り高いコーヒーを飲みながら、紙面をめくるのは至福の時間です。ということで今日は、NZ Herald紙の2025年5月28日のコーヒーに関する記事をもとに、ニュージーランドのコーヒー文化をご紹介します。

今さらフィルターコーヒーは飲めない!?

ニュージーランドでは、エスプレッソコーヒーが人気です。というか、標準という感じです。スターバックスはどこのショッピングモールにもあるような気がしますし、ニュージーランド独自のカフェもいくつもあります。家庭でも、コーヒーにこだわる人はたいていエスプレッソマシン、あるいはネスプレッソタイプのマシンを置いています。

ただ、物価高騰で、このエスプレッソコーヒーの値段がどんどん上がり、記事によると、バリスタが一杯ずつ作る必要がなく、値段が安いフィルターコーヒーを導入する店が増えてきているそうです。問題は、フィルターコーヒーだと「じゃあ、いらない」という人が少なからずいることです。かといって小さなお店では、エスプレッソマシンのためにスペースや人手を割けないという店主のコメントが紹介されていました。そう、ニュージーランドでは、大量に作った後、ずっと置いてあるフィルターコーヒーの安かろう、まずかろう、という否定的なイメージが強いのです。

ただ、エスプレッソコーヒーとフィルターコーヒーは別ものです。ぜひ、日本を訪れるニュージーランドの方々に、一杯ずつ心をこめて淹れる職人技のフィルターコーヒーのおいしさを味わっていただきたい。記事の中でも、コーヒーの風味そのものを味わえるのはフィルターコーヒー、という記述がありました。また、フィルターコーヒーに抵抗がない若い層が増えているとのことなので、これからは日本式の一杯ずつ入れるフィルターコーヒーも広まるかも?

あと、ニュージーランドのカフェでコーヒーを注文する時の注意点として、コーヒーがぬるい!ということが挙げられます。キウイの友人に嘆いたら、「私はこの温度でちょうどいいと思うけれど、熱い方が好きなら、extra hotと注文すればいい」と教えてもらって以来、注文時に「extra hotで」と言うようにしています(そうすると、なかなか熱いコーヒーが味わえます)。

二面にわたって、熱く語られるコーヒー論

そもそも、コーヒーの記事が見開き2ページに掲載されるという時点で、ニュージーランドの平和さを物語っていると言えます。ついでですが、この記事の左下の広告は、オークランドで今、もっとも洗練された、おしゃれな地域、Ponsonbyの高級アパートメント(日本でいうマンション)で、よくよく見たら、お値段は$4.25million(約3億7千万円)からだそうです。また、右下のピンクの広告は、「5月30日から6月2日は、電車は工事のため、全路線が運休です」というお知らせです。こういう広告を見ると、めったに工事で運休することがない日本の鉄道ってすごいなあ、と感心します。

高校で教えられる「エスプレッソの淹れ方」

ニュージーランドの高校の科目の一つ、「ホスピタリティ」では、レストランやカフェなどで働くための技能やスキルを教えてくれます。調理料理も経験できたりするので留学生に人気の科目で、よく成績レポートの翻訳をします。実習の内容は学校によって異なりますが、各学校で必ずと言っていいほど入っているタスクが「エスプレッソマシンを使ってコーヒーを作る」です。私の翻訳経験ではこれまで1校だけ、フィルターコーヒーとフレンチプレス(pressed coffee)のタスクも含まれている学校がありました。コーヒー好きの先生なのでしょう。私もぜひこの授業を受けてみたい。

ちなみに我が家は毎朝、Melitaの電動コーヒーミルで豆を挽いて、Kalitaのドリッパーで日本式のフィルターコーヒーを味わっています

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