翻訳担当のEikoです。
ニュージーランド航空の新しいCEOに、インド出身のNikhil Ravishankar氏が10月に就任しました。Herald紙11月1日の記事によると、15歳でインドからたった一人、知り合いがだれもいない中、オークランドにやってきたそうです。

彼が通ったのは、Mt Albert Grammar School。スポーツがさかんな名門校(ニュージーランドでGrammar Schoolと付く学校は、19世紀から続く英国式進学校の伝統を持つ高校)で、今年卒業されたARCのお客様は、水泳で大活躍されていました。
Ravishankar氏は高校卒業後、オークランド大学で、Bachelor of Science in Computer Science(コンピュータサイエンス理学士)とBachelor of Commerce (Honours)(商学士。Honoursは成績優秀者に与えられる) を取得。その後、コンサルティング会社のAccentureや電気ガス会社のVectorといったそうそうたる企業でキャリアを積み、2021年からニュージーランド航空のChief Digital Officer(最高デジタル責任者)を務めていました。

ニュージーランド航空はオンライン投資プラットフォームのSharesiesで10万人以上が投資する人気銘柄で、政府が過半数株主であることから、国民全体に支えられている会社と言えます。
コロナのロックダウン時代の大量解雇が尾を引く人材不足、日常茶飯事となってしまったフライトのキャンセルや遅延、持続可能な航空燃料(SAF)の導入の遅れなど、難題山積みのニュージーランド航空。さらに彼自身へのバッシングもあります。新CEO発表時には、SNSやニュースサイトのコメント欄に人種や出自を標的にした中傷が殺到し、主要メディアがコメント欄を閉鎖する事態となったのです。
上記の記事によると、Ravishankar氏はクリケットが得意で、夏になってクリケットのシーズンになると一目置かれるようになり、Mt Albert Grammarで友達ができたそうです。
記事の最後にある問いかけ、
Will he be able to pull off a trick like that when he showed Mt Albert Grammar his offspin? (マウント・アルバート・グラマーにオフスピン(クリケットの投球テクニックの一種)を披露した時のような技を、今回も決めることができるだろうか?)に対して、彼はこう答えています。
“My overarching emotion is not frustration, it’s one of hope.” (私の根本となる感情はいらだちではなく、むしろ希望です)
かっこいい! ぜひ、利用者として、ニュージーランド在住者として、そして超弱小株主として、新しい視点による改革の成果を期待しています。
ARCのお客様である日本の留学生の方々から、将来、ニュージーランドの会社で活躍される方が出てくる日も遠くないかもしれませんね。
引用記事
Weekes, J. (2025, November 1). The offspinner who has an airline to run. Weekend Herald, p. C3.

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