翻訳担当のEikoです。先週末にニュージーランドの総選挙が終了しました。これまで2期、6年間にわたって政権を担っていた労働党が惨敗し、経済立て直しの期待が寄せられる国民党が圧勝しました。
ニュージーランドの投票率は70%を超える
私は政治に特別強い関心があるわけではありませんが、人口がわずか500万人ほどの小国であるニュージーランドでは、国会議員とのつながりが意外なほど身近にあります。私は以前、とある政府機関への問い合わせの回答がなかなか来なくて困っている、という話をキウイの知り合いにしたら、「だったら、この地区の国会議員に相談してみたら」と言われたことがあります。
総選挙の投票率も今回はやや下がって70%台でしたが、50%台の日本よりははるかに政治に関心を持つ人が多くいます。ありがたいことに、移民である私たちにも投票権があり(日本やアメリカでは、永住権保持者の投票権はない)、投票最終日の14日に、家族で近所の学校に投票に行ってきました。20代の娘が翌日の日曜日に、友人と結果についての記事をメールでやりとりしていたぐらい、若い人でもごく普通に選挙が話題に上ります。
Special Voteで投票率を高める努力
この比較的高いニュージーランドの投票率の大きな理由の一つが、投票受付期間中、どこの選挙区でも投票ができる、という仕組みがあります。日本の期日前投票と異なり、ニュージーランド全国、さらには海外の投票所で、身分証明などの手続きなく、投票最終日まで、「special vote」ができるようになっています(自分の選挙区で投票する場合は「ordinary vote」)。ショッピングモールに開設された、自分の選挙区と異なる投票所で仕事帰りに投票、といったことが可能なのです。2023年の特別投票の見込みは、約567,000件で、総投票数の20%以上に上るとされています。
これは、異なる選挙区で投票された投票用紙をもとの選挙区に移動させる、投票がだぶっていないかを確認する、選挙した人のステータスを確認するなど、国民がなるべく投票しやすいようにするための膨大な作業のお陰で実現している仕組みです。そして、投票の集計は2回行われ、海外の投票も合算されて、最終的な投票結果が発表されることになるわけです。
今回のニュージーランドの総選挙の最終結果は、この努力の賜物として、選挙の3週間後の11月3日に発表されます。ニュージーランドは日本と違ってのんびりしているなあ、というわけではないのです!
この投稿の参考にした、ニュージーランドの投票の仕組みが分かりやすく説明されたニュージーランド・ヘラルドの記事のリンクはこちら->Why the long wait to count special votes?
ところでニュージーランドでは、土曜日が最終投票日です。私は以前の総選挙で、投票は日曜日と思い込んでいて、土曜日の夜に投票ができなかったことに気づいたことがあります…。
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