1.進路決定時期はいつ頃でしたか?また、そのきっかけはなんでしょうか?
最終的に日本の大学への進学を決めたのはyear13の4月頃です。それまでは「将来何をしたいのか分からない」「大学で何を学びたいのか分からない」「そもそも大学に行く理由って何?」という状態でした。しかし時期的にそんな事は言っていられないので、なんとなく受験勉強を始めました。
2.希望大学はどのように選考されましたか?
大学で学びたい事がはっきりしていなかったので、まずは自分の好きな事を書き出して自分の興味がありそうな学部を調べました。その中から、受験資格、受験時期、受験内容が合った6校(滑り止めも含め)に絞りました。
3.入試対策で行った勉強について詳しく教えてください。
大体の帰国生入試では、「英語力(学校の成績)」「小論文」「社会に対する知識及び自分の考え」の3点が備わっている必要があると思います。課外活動などは受験において必要ないです。活動経験がある方がもちろん良いですが(と言うよりもしておくべきです!)私はクラブ活動もボランティアもしていません。
【英語力】学校の成績は良い方でした。しかし、大学に提出するために必要な英語資格試験はIELTS 5.5とお世辞にも良いとは言えない点数でした。しかし、このスコアでも合格を頂いたので大学側が英語のスコアよりも学校の成績を重視している可能性は高いです。
【小論文】週2回のペースで塾の先生に添削をしてもらっていました。1日に800字の問題を2問は解いていたと思います。小論文に必要なのは〈問題に対する知識〉と〈文章を構成する力〉の2点だけだと思い、その2点を補うためにひたすら本を読み、入試形態の問題を繰り返し解いていました。600〜800字という限られた中で自分の意見を端的に述べるにはあらゆる本を読んでその技を盗むしかないと思います。
【知識及び自分の考え】小論文を書くには知識がなければなりません。また、面接においても「最近気なるニュースは?」と聞かれる事が度々あります。社会に関して全く関心を持っていなかった私は、とにかくありとあらゆる本を読み知識を吸収していました。また毎日インターネットで各新聞社の社説をチェックし、社説に対して賛成・反対のどちらかの立場を取り、その理由を書き出す練習をしていました。
4.勉強のモチベーションを保ち続けることが出来たのはどうしてでしょうか?
今日は勉強する気分にならないと思ったらその日は勉強をやめて友達と遊んでいました。オンとオフのスイッチの切り替えが大切だと思います。
5.早稲田大学での入学試験について教えてください。
多くの大学は学部や学科によって試験内容が異なりますが、早稲田大学は学部・学科に限らず同じ問題が出されます。例えば、文学部を受験する人も法学部を受験する人も、同じ政治についての小論文を書きます。そのため自分の興味のある分野だけでなく、オールマイティーに自分の知らない分野や興味の無い分野の考察も必要です。
また、早稲田大学は今までの成績(学校の成績や推薦状、英語のスコア)よりも当日の試験の出来が全てだと言われています。小論文(または現代文他諸々)の出来を高めることが、合格への近道です。
6.今後、帰国子女入試を考える学生へのアドバイス
私自身4ヶ月で早稲田大学に合格できたので、必死になって勉強すれば誰でも志望大学に手が届きます。帰国子女入試を受けるにあたって、私が最も大切だと思うことは「日本人である自分が海外へ行き、そこで生活し何を学んだのか。そして、留学経験を持つ自分が日本に帰った時、大学そして社会に与えられる影響は何か?」という問いに対し自分なりの答えを持っていることです。私は実際に帰国子女入試を受験して、帰国子女入試は国内の推薦入試や一般入試よりいかに優遇されているかを思い知りました。なぜ大学側はそこまでして帰国生を欲しがるのでしょうか。英語力と海外経験を持った人ならば優秀な他国からの留学生を入学させれば良いわけです。そうではなくて、国内生も留学生も持っていない、帰国生だからこそ持っている自己的価値を見出さなければなりません。
国内には留学を望んでも出来ない人がたくさんいます。世界に目を向ければ明日生きて行くことも厳しい人がいます。その中で自分が留学できることに感謝すると共に、留学できる立場にある自分が社会のために出来ることを考え続けなければなりません。
私は受験勉強をする過程でただ志望大学に合格するだけではなく自分の立場や社会の有り様についても考えるようになりました。海外で日本の勉強をするのは大変ですが、それを乗り越えた達成感は大きいと思います。
7.ニュージーランド留学を振り返っての感想。
英語を全く話せない・理解できない状態からのスタートで大変なことも辛いこともたくさんありました。しかしNZに留学できて良かったと心の底から思います。大好きな学校に通え、暖かい人々に囲まれながら生活できました。充実した生活を送れたのは家族・友人・先生・エージェントの方々、たくさんの人々のおかげです。NZに留学して、大いに自分の成長を感じられた2年間でした。