ニュージーランドに留学しようと考えた理由やきっかけ
私の叔母が高校留学を経験していたこともあり、昔から留学には興味を持っていました。私が高校一年生の時に将来の進路について真剣に迷っていた際、当時通っていた英語塾の先生から少しでも留学に興味があるなら後悔する前に思い切って挑戦した方がいいと留学を後押ししていただき、現地校での留学生の受け入れが充実しているニュージーランドへの留学を決意しました。
出発前の準備
英語塾には小学生の頃から通っていたのですが、留学を決断して以降は追加で毎週ネイティブの先生にも個別レッスンをしていただき、留学するにあたっての英語でのスピーキングスキルの向上を図りました。
留学で苦労したこと、乗り越えたきっかけ
私の留学生活は、最終的に私が卒業した学校とは別の学校で始まりました。日本では大都会の比較的アカデミックな環境で育ったこともあり、せっかくの留学生活なのだからこれまでとは違う、自然に囲まれアクティビティに力を入れている地元色の強い高校に留学したいとの思いで田舎の留学生数の少ない学校を選んだのですが、結果的にはその環境が私には合わず、慎重な検討を繰り返したのち留学開始から半年後に転校を決意しました。勇気のいる決断ではありましたが、規模が大きくアカデミックな現地生や留学生に囲まれた環境への移行は私にとても良い刺激を与えてくれ、新たなことに積極的にチャレンジする挑戦心や生涯大切にしたいと思える国境を越えた友情など、英語の上達だけにとどまらない人生の財産となる経験をすることができました。

高校での勉強について
Year 12,13の二年間NCEAのカリキュラムを履修しました。English, Mathematics, Geographyなどのアカデミック教科に加えてTextileやHospitalityなどの副教科をバランスして取ることで、自分に負荷をかけすぎずに質の高いアカデミック教科の勉強に集中できるよう努力しました。Geographyなどの社会科目は日本では暗記教科として見られがちですが、ニュージーランドではEnglishと同等かそれ以上の量のエッセイが求められます。最初はその違いに慣れるのに苦労しましたが、先生への質問やこなす課題の量が増えるにつれ“Why”を常にかみ砕いて説明することが重視されていることに気づき、コツを掴んでからは良い成績を安定して取れるようになりました。
学校でのクラブ活動・ボランティア活動など
私の学校は音楽のクラブが充実しており、幼い頃から音楽をしていた私はオーケストラ部でバイオリン奏者として、コーラス部でアルトシンガーとして課外活動に励みました。Year 13の初めからはオーケストラ部のコンサートマスターを任されたほか選抜メンバーのみのコーラス部の部員としても活動し、自分の音楽スキルの向上だけでなく学年の異なる数多くの現地生との交流の輪が広がりました。学校での音楽活動は私が充実した留学生活を送れたと感じられる一番の理由になったと思います。

また学校外ではグローバルアンバサダーと呼ばれる地域のユースリーダーシップ活動にも参加し、人種差別撲滅に関する国際会議や地域のコミュニティ団体とのパネルディスカッションに出席しました。最初は高度な英語が飛び交う環境についていくのに必死でしたが、時間が経つにつれて少しずつ積極的に発言して議論に参加できるようになった自分を見たときには、将来のキャリアにおいても役立つ大きな成長を感じることができました。
卒業後の進路
高校卒業後はオークランド大学に進学し、経済学と統計学を専攻します。留学時に履修した科目の学習を通して自分は数学的思考で世界の動向を理解することが好きだということに気づき、これらの学問を本格的に学ぶことを決めました。これからも続くニュージーランドでの学業生活に、今からとてもワクワクしています!
これから留学される方へのアドバイス
留学先での経験はすべてが新しく挑戦的で、思い描いていた通りに結果が実らないこともたくさんあります。思い通りの結果が得られないと落ち込んでしまったりチャレンジしたこと自体を後悔してしまいがちですが、経験というのは結果がすべてではありません。この留学経験を通して、私は学問においても課外活動においても目標に向かって努力する過程が一番大切だと気づかされました。これからやってくる皆さんには、留学生活での様々な挑戦において、結果だけに捉われず、そこまで努力した過程から得られたものを大切に新たな挑戦への原動力にしていってほしいと思います。
留学を振り返って
この二年半における留学生活は私にとって単なる”経験”ではなく、私のこれからの人生に大きな影響を与える”財産”になったと感じています。留学開始当初は激しいホームシックに悩まされ、卒業留学どころか一年留学を終えることさえ想像できませんでした。ですが、辛い時期にも、留学したからには悔いのないものにしたいとの気持ちを絶やすことなく前進し続けたおかげで、高校留学最後の年にはニュージーランドでの生活が”経験”ではなく私の”日常”に、現地で育んだ友情やホストファミリーとの関係が”留学先での関係”ではなく”生涯大切にしたい関係”に、つまり自分のアイデンティティがニュージーランドで確かに育っていることを実感できるようになりました。そのような私の心からの思いがこれからの大学生活もニュージーランドで過ごすことを決意するきっかけとなったこと、そしてそれをサポートすることを決めてくれた両親がそばに居てくれていることに、本当に嬉しさと感謝の気持ちでいっぱいです。そんな”充実した留学生活”という言葉をはるかに超えた有意義な留学生活をサポートしてくれた小西さん、そしてガーディアンスタッフのはるかさん、ゆきえさんには心から感謝しています。今まで本当にお世話になりました。またいつか成長した姿をお見せできる日を楽しみにしています。
ARCより
この2年間で穂乃花さんの心の柔らかさと強さは大きく磨かれ、それは言葉や行動の一つひとつに滲み出ていました。大人として成長していく姿を間近で見守れたことに、私たちは心から感謝しています。
ARCとしての私達のサポートは終了します。しかし、決して縁が切れるわけではありません。いつでも気軽に訪ねてください。ARCを卒業してもARCファミリーは永遠です。穂乃花さんが、そのことを忘れず、新たなチャプターへ羽ばたいて欲しいと願います。


