自由な校風に驚いた
私の通ったのは、Palmerston Northにある、St. Peter’s Collegeでした。私が日本で通っている学校は、規則が厳しく結構がちがちな感じですが、ここでは先生と生徒はフレンドリーに話かけていたし、授業中の態度もゆるく、自由な感じの印象でした。
最初は「こんなにゆるくていいの?」と戸惑いましたが、その分、自分でどう学ぶかを考えなければいけない環境でもありました。
履修したのは、数学、英語、美術、ダンス、クッキング、そしてマオリの授業。特にマオリの授業では、伝統的なダンスを学ぶ機会がありました
体全体を使って表現する動きは新鮮で、ニュージーランドの文化に直に触れられる時間でした。
クラスメイトとの距離を縮めた小さなきっかけ
友達づくりは最初、とても難しかったです。現地のアクセントが強く、会話についていけないことも多くありました
それでも、お菓子を分け合うことが大きなきっかけになりました。日本から持っていったハイチューや抹茶味のキャンディを配ると、みんな興味津々。ある友達は食べてすぐに「うぅ〜」とびっくりした顔をして、その反応にみんなで大笑いしました。
その瞬間から、話しかけるきっかけが自然に生まれ、友達の輪に入っていけるようになりました。日常のささいな工夫が、異国での居場所をつくる大切な一歩になったと思います。
ホームステイで学んだ「助け合う家族の姿」
ホストファミリーとの生活はとても温かく、居心地の良いものでした。朝はハッシュブラウンと果物、夜はローストチキンやナチョスなどを一緒に囲み、自然と会話が増えていきました
忘れられないのは、家族全員でインフルエンザにかかってしまった時のことです。ホストマザーの体調が優れない中、ホストファーザーが餃子を作り、家族で助け合う姿を見て「これが本当の家族なんだ」と感じました
私自身も体調を崩しましたが、日本の家族からのアドバイスや、現地の柔軟な休養の習慣に支えられて回復することができました。
英語力よりも大切な「積極性」
もちろん、リスニング力は大きく伸びました。最初は全く聞き取れなかった英語も、3か月経つ頃には自然に理解できるようになっていました
でもそれ以上に大きな成長は、「自分から動く積極性」の大切さを学んだことです。
授業で分からないことがあっても、ただ座っているのではなく「聞きに行く」。友達との距離が遠いと感じたら、自分から「お菓子食べる?」と声をかける。その積み重ねが、居場所をつくり、自信につながっていきました。
この留学で一番感じたのは、「挑戦してみないと何も始まらない」ということです。自由な校風は最初は戸惑いましたが、自分なりに工夫しながら学べたからこそ、日本にいたらできない経験ができました。
ARCより
なのはさんの留学を見守っていて、印象的だったのは「最初は静かで遠慮がちに見えた彼女が、次第に自分の居場所をつくり出していった姿」です。自由な校風の中では、自分で動かないと何も始まらない場面が多くあります。その環境を受け入れ、友達に話しかけたり、日本のお菓子を配ったりと、自ら工夫して行動するようになったのは大きな成長でした。
また、ホストファミリーが体調を崩したときに家族が助け合う姿を共に体験し、文化や言語の違いを越えて「家族の一員」として過ごすことができたことも、貴重な経験になったと思います。単に英語を学ぶだけでなく、「異文化の中で自分がどう振る舞うか」「どうやって人と関わるか」を実際に体験し、そこで得た学びは今後の人生にもつながるはずです。
なのはさんは、リスニング力の向上など語学面の成果だけでなく、積極性・柔軟性・人とのつながりを大切にする姿勢を身につけました。これは将来どんな道に進んでも、必ず彼女の力になると確信しています。私たちARCとしても、この成長を誇らしく思うと同時に、これからの歩みを心から応援しています。